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リーナス・トーバルズ氏がミレニアム技術賞を受賞

先週の4月19日に、Linux OSカーネルの父 リーナス・トーバルズ氏が
2012年度ミレニアム技術賞を受賞することに決まりました。

http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1204/20/news035.html

Linuxの祖父であるアンドリュー・タネンバウム博士が開発した
カーネルのサイズが極小なMINIXに強く影響された末に
世界最初のLinuxカーネルを生み出したリーナス・トーバルズ氏の
情報通信技術の発展に対する膨大な貢献を振り返ると、
やはり受賞決定は当然であると強く感じます。

一方で、
1992年にアンドリュー・タネンバウム博士が
「OSの各種機能の中で必要最小限な機能のみをカーネル空間に残して
残りの全ての機能(ファイルシステムやデバイスドライバなど)をカーネルから独立したユーザーレベルに移すことにより、
システムをダウンさせることなくソフトの開発デバッグとアップデート作業を少ない労力で行える
マイクロカーネル型のMINIXの方が、
カーネルとのつながりと依存性が非常に強いソフトが生む依存性エラーを地道にデバッグしてアップデートするスキルを求められる
モノリシックカーネル(一枚岩のカーネル)型のLinuxよりも先進的である。」と指摘したことは、
サーバーの保守アップデート作業を行う際に、深刻な場合はくどいとまで感じられる程度の依存性エラーの解決にかける労力を
経験してきたエンジニアにとって、
非常に納得でき正しい議論であり続けています。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%AA%E3%83%...

でもやはり、Webやファイル共有からメールやデータベースに至るまで
サーバーソフトのソースコードと設定ファイルが全てオープンなLinuxは、
カーネルのバージョンアップごとに直面するソフトの依存性エラー対処の解法を見つけ出す
論理的スキルとセンスさえあれば
無限に高いセキュリティとパフォーマンスのサーバーを実装することを可能にしているので、
一旦その非常に高い技術的な満足度の恩恵を受けてしまうと
全くコストをかけずに高性能サーバーを構築できる醍醐味から抜け出せなくなります。

最初の1人目の開発者が作成したオープンなソースコードを2番目以降の開発者がエディター一つで自由に改良し、
さらには変異させて全く新しい種類のソフトに自由に改変できるLinuxという環境を与えてくれたリーナスさんに対しては
畏敬の念あるのみです。
まさにエンジニアの技術的生活に対する満足度が、他に比べて次々と高い技術を生み出してゆく究極の要因となることを
ネット上のコミュニティを通じて具現した人です。

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