既に広く報道されていてよく知られていますが、
リーマンショックから1年以上が経過した昨年2010年の夏以降から
ICT端末の主役が従来のノートPCから
小型でどこでも素早く起動してネット接続できるスマートフォンやタブレッット端末に急速に移行し、
家の中にいる時間と外出先にいる時間といった区別なく、
多くの人々がSNS・SMSメッセンジャーを通じて
常に自分以外の他の人々と実名でつながることを好む生活スタイルに移り変わっているイギリスで、
ここ数日にわたって若者による商店の焼き討ちと商品の略奪を目的とした暴動が多発し
各地に飛び火しています。
BBC報道
http://www.bbc.co.uk/news/uk-14452097
低学歴層が担い手だった工場の製造ラインや建設業・運送業・鉱業などの現場の仕事のほとんどが
既に中東欧やアジアの労働者に流出してしまった状況の中で、
両親ともに失業している状態の貧困な家庭に生まれながら自らも大学・専門学校に進学できなかった若者や
進学したにもかかわらず学位資格・職業資格コースからキックアウトされて脱落し退学を余儀なくされた若者が、
金融・ICT産業を中心に創出される仕事を得る際に必須条件として求められる高等職業資格・スキルが不足しているために就業できず、
結果として鬱積した感情を爆発させて、高級機種の情報家電やスマートフォンなどの大量強奪行為に駆り立てていると考えられています。
また、iPhoneやアンドロイド端末に比べて
メッセージングサービスの利用料金が安価なブラックベリースマートフォン端末の貧困層の若者への普及で、
PIN認証と通信の暗号化によりコミュニケーションの秘匿性が高いBBM(ブラックベリー・メッセンジャー)を使って、
集結する場所を互いに秘密裏に連絡し合いながら大規模な暴動を引き起こしていると考えられています。
BBC記事:BBM(ブラックベリー・メッセンジャー)は、暴動にどのように影響を及ぼしてきたのか?
http://news.bbc.co.uk/2/hi/programmes/click_online/9563177.stm
BBC記事:SNS・メッセンジャーは、暴動を助長しているツールとして非難されるべきだろうか?
http://www.bbc.co.uk/news/technology-14442203
BBC記事:たとえ暴動を引き起こして逮捕されても、貧しい彼らには失う代償や仕事や地位は全く無い。
http://www.bbc.co.uk/news/magazine-14463452
こうしたイギリスでの経験と実例から見えてくる点は、
点にあると強く感じます。