3月11日に震災が発生して翌12日に福島第一原発の爆発事故が起きた直後の話ですが、
爆発事故の映像をもとにして
いち早く原子炉の構造と生物・医療学的な観点からのリスク分析を行って導き出した結論を
最先端の情報システム技術を効率的に駆使して数時間以内に人々に伝えた、
イギリス政府とアメリカ政府の危機管理対策には脱帽しました。
http://www.bbc.co.uk/news/world-asia-pacific-12722114
このニュースが報道された時点で、
既に多くのイギリス人とアメリカ人は東北と関東からの脱出や帰国による
避難を急いでいましたが、
私もこのニュースを見て、
「日本の原子力発電技術の高さから判断して、破損はあり得ない。」という
明確な根拠を欠いていた当時の周囲の希望的観測に惑わされずに、
「燃料棒の破損と放射能汚染の深刻化が現実になってしまった。」ことを察知しました。
2001年9月~2005年の間に起きた一連の同時多発テロ事件以降、
イギリスとアメリカは共同して有事の危機管理対策のために
国防のみならず情報通信・医療生化学・社会インフラなどの分野での技術研究開発を
急いできたことは知っていましたが、
専門家と政府が一体となってこれほどまでにスピーディーに
有事の事故についての状況・リスク分析と情報提供ができるまでに
国家の危機管理技術が進展しているとは正直驚きました。
今までのITベンチャー企業や民間企業まかせの単なる断片的な情報伝達とは別に、
有事に有機的に情報を伝達することによって迅速な政府の意思決定を実現する情報通信技術(ICT)を
研究開発し利用することが、
21世紀にふさわしい高度な技術であることを、改めて思い知らされました。